モラハラによる離婚の慰謝料相場や計算方法は?
モラハラ(モラル・ハラスメント)とは、物理的な行為ではなく、暴言、脅し、無視等の言葉や態度などによって、相手の人格や尊厳を繰り返し執拗に傷つけることをいいます。
モラハラは、精神的暴力ともいわれ、配偶者のモラハラを原因として離婚に至った場合、受けた精神的苦痛に対する損害賠償として、慰謝料を請求することができます。
■モラハラによる離婚慰謝料の相場
相場としては、50万円~300万円となります。
そして、モラハラの場合は、慰謝料算出の根拠に「心と身体の治療費」が含まれることとなり、モラハラによって重度の障害を負ったり、就労困難になった場合などは、相場を超えた請求が認められることもあります。
■慰謝料の算定方法
慰謝料の金額の算定については算定表がないため、裁判所が様々な事情を考慮して決定します。裁判所が考慮する事情とは、不倫や暴力、精神的苦痛の大きさ、結婚生活の長さ、当事者の年齢や収入、子どもの有無や人数などです。
これらの事情をもとに、具体的にどのように慰謝料の額が決定されるのか、以下で説明していきます。
●慰謝料の種類
まず、離婚の慰謝料としては、①離婚原因慰謝料、②離婚自体慰謝料の2種類があります。
①離婚原因慰謝料とは、配偶者の行為によって肉体的・精神的な苦痛を与えられたことに対する慰謝料です。
また、②離婚自体慰謝料とは、離婚することで、経済面などで今後の生活に悪影響が与えられることに対する慰謝料です。
そして、離婚の慰謝料は、この2種類の慰謝料の合計で算出されることとなります。
①離婚原因慰謝料について
離婚するに至った原因や過程によって、離婚原因慰謝料の相場は変わってきます。
おおまかな目安として、DVやモラハラを受けた場合の相場は50~300万円となっています。
②離婚自体慰謝料について
離婚自体慰謝料については、万事に当てはまるものではありませんが、以下の計算式があります。
(基本慰謝料120万円+相手の年収の3%×実質的婚姻年数)×有責度×調整係数
有責度は、離婚の原因となった配偶者の行為(有責行為)がどれくらいあったかで算出されます。例えば、一方的な不貞行為は1、DVやセックスレスなどの婚姻を継続しがたい重大な事由は0.7、となります。もっとも、自身も有責行為をしていた場合には、有責度は0になります。
調整係数とは、離婚後の生活がどれほど困難であるかの度合いから算出されます。例えば、職があって配偶者と同程度の収入を得ることができる場合は0.7、職はなく今までに職業経験がない場合は1.3、となります。
■十分な慰謝料を得るために
モラハラによって受けた精神的苦痛に対して、それに見合った十分な慰謝料を得るためには、モラハラの証拠が必要となります。
具体的には、モラハラを記録した日記や暴言の録音、メッセージ等の保存、医療機関を受診した場合には診断書などです。
もっとも、証拠が揃っていたとしても、当事者のみで話し合いをすることは、より危害を加えられる危険性があり、避けるべきといえます。
したがって、離婚問題の専門家である弁護士に相談することをお勧めします。
パークス法律事務所では、中央区、港区、渋谷区を中心に、東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県にお住まいの皆様から、離婚問題にかかるご相談を承っております。
豊富な知識と経験に基づいて、ご相談者様に最適なご提案をさせていただきます。
お困りのことがございましたら、当事務所までお気軽にご相談ください。
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- 中小企業認定支援機関(中小企業経営力強化支援法における経営革新等支援機関)
経歴
- 1994.03 青山学院大学法学部卒業
- 2002.10 弁護士登録(第一東京弁護士会)
- 2002.10〜2004.05 津山法律事務所
- 2004.09〜2006.01 弁護士法人渋谷シビック法律事務所
- 2006.02〜2021.08 虎ノ門協同法律事務所
- 2021.08 パークス法律事務所設立
著書・論文
- 「ネットオークションに関する法的問題」共著:第一東京弁護士会司法研究委員会電子商取引研究班
- 家族に関する法律相談(49) 戸籍時報2014年7月号「婚姻費用における住宅ローン支払い分の控除について」
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